チョコレート需要の増大により、大規模生産者にチャンス

Plantation groups eye cocoa farming

plantation-companies-focus-on-cocoa-farming

カカオ農業は、19世紀からほとんど変わっておらず、自給自足の収入を得て生活している人がほとんどです。 他の農産物と異なり、カカオ供給量の9割が小規模農家です。

問題も多いですが、そこにはチャンスも

中国、インド、ロシアなど、発展途上国の成長により、カカオ需要が高まり、生産量不足の傾向にあります。 調査会社は、プロのカカオプランテーションが必要であると考えています。

複数の国際農業プランテーションが、ドミニカ共和国、ペルー、ニカラグアなどで、大規模カカオ農園プロジェクトを計画中か調査中です。 西アフリカやインドネシアなどでもプロジェクトがあります。

カカオは栽培しやすい植物ではありません。

カカオは病気に弱く、歴史的に見ても、他の熱帯産農作物よりも、低い利回りになってしまいます。 しかし、より高い利回りが可能なラテンアメリカの新品種なども研究されてきました。

ラテンアメリカで生産

専門家は、世界のカカオのほとんどが生産されている西アフリカでは、土地の所有権が問題になり、事実上、大規模なカカオ農園は不可能であると警告しています。 一方で、ラテンアメリカは、その代役を担うことができるかもしれません。

一つはっきりしていることは、カカオ農業は、変わらなければならないということです。 チョコレート市場拡大により、グローバルな供給不足に加え、カカオ農家の高齢化問題などもあります。

やっぱり、カカオ栽培は難しいんですね。しかも、小規模農家の方々が、頑張ってくれています。 カカオ農園で機械化が進んでいる映像を目にしたこともありません。

カカオ農家の方々の苦労を思い、感謝の心で、チョコレートをいただくことにしましょう。

2025年の今、この記事の予測はどうなった?

2014年のこの記事から10年以上が経ち、記事が予測した「大規模カカオ農園」の動きは、現実のものになりつつあります。ここからは、最新の動向を追いかけてみましょう。

ブラジルで「世界最大のカカオ農園」プロジェクトが進行中

記事が「ラテンアメリカが代役を担うかもしれない」と指摘した通り、今、最も注目されているのがブラジルです。

ブラジルのバイーア州で、農家のモイゼス・シュミット氏が世界最大級のカカオ農園を開発しています。その面積はマンハッタン島よりも大きく、なんと3億ドル(約450億円) を投じたプロジェクトです。

この農園の最大の特徴は、ほぼ100%の機械化です。高収量のカカオの木を植え、完全な灌漑と施肥を行い、工業規模の農業技術をカカオ生産に応用しています。カカオ農園で機械化が進んでいる映像を見たことがない、というのは、もはや過去の話になりつつあるんですね。

シュミット氏は「ブラジルは世界のカカオのパン籠になる」と語り、10年以内に50万ヘクタールの高収量カカオ農園がブラジルに整備され、160万トンのカカオを生産する可能性があると予測しています。これは、ブラジルの現在の生産量(約20万トン)の8倍に相当します。

ネスレやマースなど大手企業も参入

大規模農園の動きは、ブラジルだけではありません。

ネスレは2025年4月、新興国・発展途上国で7万2,000ヘクタール以上のアグロフォレストリー型カカオ栽培を展開するプログラムを発表しました。対象となる農家は2万5,000人にのぼります。

マースもドミニカ共和国とエクアドルで、低炭素かつ気候変動耐性のあるカカオ生産を行う5年間のアグロフォレストリー共同事業を開始しました。

さらに、カーギルはブラジルの大規模農園プロジェクトの初期段階(400ヘクタール)にパートナーとして参画しており、バリー・カレボーも別の大規模プロジェクトに参加しています。

つまり、2014年当時「調査中」「計画中」とされていた動きが、今や具体的な投資と行動に移っているんですね。

小規模農家は、今もカカオ生産の主役

ただし、忘れてはいけないのは、世界のカカオ生産の9割以上は、今も小規模農家が担っているということです。

世界経済フォーラムの2025年の報告によると、最大600万の小規模農家が世界のカカオ生産の90%以上を支えており、そのほとんどが5ヘクタール未満の農地で栽培しています。

コートジボワールとガーナの2カ国だけで、世界のカカオ豆の約60% を生産していますが、その基盤は依然として小規模農家なんです。

大規模農園の登場は、あくまで供給不足を補う新しい選択肢であって、小規模農家に取って代わるものではないんですね。

カカオ農家の高齢化は、さらに深刻に

記事が指摘した「カカオ農家の高齢化問題」は、10年以上たった今、さらに深刻化しています。

2026年のフォーブスジャパンの記事によると、カカオ農家の平均年齢は55歳を超え、多くの生産地域で若い世代が農業を続けることに消極的だといいます。「農業は体力的にきつく、低賃金で魅力に欠ける」と考えられているんですね。

コロンビアでは、65%以上のカカオ農家が48〜50歳以上で、世代交代が進まないことが深刻な問題になっています。

若い世代が農業から離れるにつれ、技能や知識、生産が時間とともに低下するリスクがあると指摘されています。

カカオ価格は、記録的な乱高下

記事が書かれた2014年当時、カカオ価格は「2012年比で約2割高」と言われていました。その後、価格は記録的な高騰を続け、2024年12月には1トンあたり12,931ドルという史上最高値をつけました。

2025年にはいったん下落しましたが、2026年に入って再び上昇し、2026年9月には1トンあたり6,455ドルまで戻っています。

価格の乱高下は、農家にとって計画が立てにくいという新たな課題をもたらしています。カカオ価格が急騰・急落すると、「コスト管理や店頭での製品の安定供給が難しくなる」と指摘されています。

アグロフォレストリーという新しい方向性

大規模農園の動きと並行して、アグロフォレストリー(森林農業)というアプローチも広がっています。

これは、カカオの木をより大きな在来樹の樹冠の下に植えることで、生物多様性を増やし、土壌を再生し、農地が高温に耐えやすくする農法です。

ネスレやマースが取り組んでいるのも、このアグロフォレストリー型の栽培です。単一栽培ではなく、森と共存するカカオ栽培が、これからのスタンダードになっていくのかもしれません。

まとめ

テーマ 2014年当時 2025〜2026年
大規模農園 計画・調査段階 ブラジルで世界最大級の農園が進行中
企業の参入 一部のプランテーション企業 ネスレ、マース、カーギル、バリー・カレボーが参画
小規模農家の割合 供給量の9割 90%以上(最大600万農家)
農家の高齢化 問題として指摘 平均年齢55歳超。世代交代が深刻な課題に
カカオ価格 2012年比約2割高 2024年に記録的高値、その後も乱高下
栽培方法 単一栽培が中心 アグロフォレストリーが注目される

やっぱり、カカオ栽培は難しいんですね。そして、小規模農家の方々が、今も変わらず頑張ってくれています。

大規模農園の動きは、供給不足を補うための新しい挑戦。でも、その裏では、農家の高齢化や価格の乱高下といった、変わらない課題も残っています。

カカオ農家の方々の苦労を思い、感謝の心で、チョコレートをいただくことにしましょう。

参照

Plantation groups eye cocoa farming - Financial Times

ドミニカ共和国 - Wikipedia

ペルー - Wikipedia

ニカラグア - Wikipedia

インドネシア - Wikipedia

追加の参照