チョコレートメーカー大手が主要カカオ栽培地域の森林破壊阻止に合意
ネスレ(Nestlé)、マース(Mars)、モンデリーズ(Mondelez)など大手チョコレートメーカーと、カーギル(Cargill)やオラム(Olam)などのカカオトレーダーは、アイボリーコーストとガーナをはじめする主要なココア栽培地域の森林破壊の阻止に協力すると合意したそうです。
Chocolate and cocoa groups vow to end deforestation
コートジボワールとガーナは世界の主要なカカオ産地であり、世界のカカオ生産の約60%を占めています。
ネスレ(Nestlé)、マース(Mars)、モンデレス(Mondelez)など大手チョコレートメーカーと、カーギル(Cargill)やオラム(Olam)などのカカオトレーダーは、コートジボワールとガーナをはじめとする主要なカカオ栽培地域の森林破壊の阻止に協力することに合意しました。
次回の国連気候変動交渉で森林破壊に取り組むための行動計画を策定するために、12の企業が会議で合意に調印しました。
この調印により、世界の熱帯雨林農業が注目されるようになってきています。
東南アジアでは、パーム油貿易業者とその買い手が、熱帯雨林と泥炭地を破壊しています。
英国の銀行であるHSBCは先月、環境団体であるグリーンピースからの圧力を受け、パーム油生産者やトレーダーへの融資ガイドラインを厳格にしました。
森林減少につながる農産物として、最近まで、主にパーム油、大豆、木材、牛肉などが、その原因であると考えられてきました。
しかし、ここ数年の報告では、カカオ生産が原生林の破壊につながっていることが示唆されています。
世界ココア財団(World Cocoa Foundation)の議長を務めるマーズの責任者ベリー・パーキン(Barry Parkin)は、持続可能性なカカオ生産に、大企業が結集したのが1年前で、詳細な行動計画を作成するのには6ヶ月間を要すると述べています。
今、大変な作業が始まります。我々はこの複雑な問題をどのように分類するか、それを実行するには何が必要かを考える必要があります。
この協定は、森林を保護し、復元するための投資と、小規模農家のカカオ生産性を向上させるプログラムにつながると期待されています。
この取り組みに参加したグループには、フェレロ(Ferrero)、ハーシー(Hershey)、バリー・カレボウ(Barry Callebaut)、エコム(Ecom)、グリーンピース(Greenpeace)などの非政府組織、コートジボワールとガーナ、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェー、英国政府が含まれます。
過去30年間、農家によって栽培されたカカオの大部分は、カカオの木を植えるために森林破壊された土地にありました。
「政府、企業、NGOの団結力で、森林の景観を保護し、森林を回復させることができ、カカオの未来を守ることができます」とオラム(Olam)のジェラルド・マンリー(Gerard Manley)氏は述べています。
環境団体マイティ・アース(Mighty Earth)によると、カカオ農業はコートジボワールとガーナの森林に壊滅的な影響を与えており、森林をアフリカのどの国より速く伐採していると述べています。
「チョコレートは西アフリカの森林を大規模に殺している」とマイティ・アースは語ってます。
コートジボワールとガーナは、西アフリカ、コンゴ盆地の2000年から2014年の間に生じた森林減少の5分の1以上を占めています。
森林減少率は両国とも高く、コートジボワールでは総森林面積の14.5%が失われ、ガーナでは12%が失われています。
チョコレートとココアの生産者は、メディアにはあまり知られていません。
過去の児童労働に対する告発は、大企業が栄養失調、貧困、および教育不足を改善する取り組みに協力するよう促しました。
開発途上国の小規模農家で生産されているカカオの多くは、地域社会を支えています。また、カカオ生産を若い世代にとって魅力的な職業とすることは、持続可能な供給を確保する鍵とみなされてきました。
チャールズ皇太子が率いる国際サステイナビリティ部門(International Sustainability Unit)、世界ココア財団(World Cocoa Foundation)、持続可能なビジネスモデルを推進している組織IDHは、これらの考えを基盤にしています。
なかなか、一つにまとまるのは大変そうですが、とにかく、良い方向に向かってほしいものです。
人類の英知に期待しましょう。
参照
Chocolate and cocoa groups vow to end deforestation - MSN
International Sustainability Unit