何世紀もの間、古代メソアメリカでは、エリートの人々が、熱帯のテオブロマカカオの木から採れるカカオ豆から作られた発泡飲料を飲んでいました。

A chocolate habit in ancient North America

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この発泡飲料は、儀式で飲まれたチョコレートドリンクで、古代の大都市跡や寺院から、その染みの付いた円筒形のつぼや水差しが見つかっています。

古代北米にも、偉大な先史時代の大都市が存在していました。 ミズーリ州セントルイス近郊の古代カホキア、ニューメキシコ州のチャコ・キャニオンなどがその例です。

何年もの間、考古学者は、そうした古代文明間で文化交流は、ほとんどなかったと想定していました。 しかし、チョコレートが、その想定を覆すかもしれません。


カホキアで見つかったつぼの中に、わずかなチョコレート残留物が見つかったことから、広く一般的に貿易が行われていたことを示唆しています。

東南部や、南西部からも同様の証拠が発見され、重要な地位にいた人々が、古代メソアメリカとその北部地域で交流していたことを示してると、ペンシルバニア大学博物館の考古学者、ドロシー・ウォッシュバーン(Dorothy Washburn)氏は、述べています。

しかし、そのような僅かな残留物の分析は非常に複雑で、カカオのアルカロイドの低レベル汚染は、近代的なものである可能性もあるとしています。


現在でも、カカオが栽培できるのは熱帯地域のみですから、カカオ豆が見つかれば、それは貿易によるものだと容易に推測できますよね。

チョコレートドリンクから古代の様子をうかがい知ることができるなんて、ロマンとしか言いようがありません。


参照

A chocolate habit in ancient North America - Science AAAS

メソアメリカ - Wikipedia

カホキア - Wikipedia

チャコ文化国立歴史公園 - Wikipedia

dorothy washburn - University of Pennsylvania

アルカロイド - Wikipedia