英国の新しい糖質制限は、チョコレートバーも違反になるかもしれないというニュースです。
New sugar limits can be breached by a bar of chocolate

英国政府の科学顧問が、
- チョコレートバー1本
- ヨーグルト3つ
- 炭酸飲料
は、いづれも、一日の砂糖摂取量の限界を超えているかもしれないと報告しています。
勧告レポートは、現在の砂糖制限値を、半分にしようというものです。 女性は、砂糖、1日スプーンで5~6杯(25グラム)、男性は7~8杯(35グラム)以上摂取すべきではありません。 政府科学顧問は、イギリスの食事には、根本的な変更が必要で、砂糖との戦いに挑もうとしています。 一日の砂糖摂取量を超えた食品は、禁止にすべきであるという強い姿勢です。
コカ・コーラの330ミリリットル缶は、砂糖35グラムが含まれています。 スニッカーズのようなチョコレートバーである、マーズバー(Mars bar)は、33グラム含まれています。
ともに、平均25グラムという女性の1日の砂糖摂取量を超え、男性の一日の摂取量の限界値に達しています。
低脂肪と謳っているブラックチェリーのヨーグルトは、女性のの一日の摂取量、27グラムの砂糖を含んでいます。
栄養に関する科学諮問委員会(SACN)は、毎日のカロリー摂取量の5パーセント以上を、砂糖から摂るべきではないと言っています。 ちなみに、現在の目標設定値は、10パーセント。 保健当局は、すべての年齢層で、制限値を超えていると報告しています。 特に若い中高生は、50パーセント以上も余分に砂糖を摂取しています。 平均的な中高生は、330ミリリットル缶の炭酸飲料を毎日飲んでいる計算になります。
公衆衛生当局は、家族が子供たちに炭酸飲料を許可するかどうかについて慎重に検討すべきだと述べています。 また、国民全体として、より低カロリーなもの、または水のような飲料に変えることが必要と述べています。
政府顧問は、親が食事と一緒に水を提供し、子どもたちの砂糖摂取量を減らすために、食卓から炭酸飲料やジュースを禁止すべきだと述べました。 新ガイドライン案では、繊維摂取量も、一日に24グラムから30グラムへを高める必要があると言っています。
英国では成人の三分の二は、過体重または肥満であり、20歳以下のイギリスの女子は現在、西ヨーロッパで最も太りすぎているという調査結果があります。
公衆衛生局によるレポートは、甘い食べ物への課税、広告の制限や甘い食べ物に関連する小売プロモーションの取り締まりなど、 砂糖の摂取量を減らすための試みを検討する必要があると説明しています。
公衆衛生局のチーフ栄養士は次のように述べています。
あまりにも多くの砂糖を食べることが私たちの健康に害を与えている。 過剰な糖およびカロリー摂取量は、過体重および肥満につながり、その結果、2型糖尿病、心疾患および乳癌および結腸癌を発症する高いリスクを有する。
報告書は、現在の傾向が続けば、肥満による医療費が2050年には50億ポンド(約8,700億円)まで膨れ上がると警告しています。
専門家は、今回のレポートが45歳の人口の10人のうち7人以上が過体重または肥満であることを示していると健康危機を警告しました。 25歳未満の年齢層のみが、太り過ぎではない唯一のグループとなっています。
これらの数字は、国民に健康危機が迫り来ることを示しています。 歴史的には、公衆衛生のアプローチは子どもたちに焦点を当ててきました。 若いうちに教育すべきで、年老いてからでは遅いからです。 しかし、まだ間に合うから大丈夫という姿勢で、人々に訴えけけていく必要があるでしょう。
以前、ニューヨークで、ラージサイズの炭酸飲料に課税措置をとったというようなニュースを聞いたような気がしましたが、イギリスでも事情は同じようです。
日本でも、チョコレートに課税されてしまう日が来るのでしょうか?! ヨーグルトには、砂糖がたくさん含まれているという事実も、驚きでした。
2025年の今、この「砂糖との戦い」はどうなった?
あれから10年以上たち、英国の砂糖政策はずいぶん進みました。2014年当時は「課税を検討する必要がある」という段階でしたが、今は具体的な施策が実行に移されています。最新の状況を見てみましょう。
SACNの5%制限は、今も変わらず
SACNが2015年に発表した「フリーシュガーは一日のエネルギーの5%以下に」という勧告は、2025年になっても変わらず、英国の公式な栄養ガイドラインとして維持されています。
具体的な数値は、年齢によって異なります。
- 4〜6歳: 19g(角砂糖5個)
- 7〜10歳: 24g(角砂糖6個)
- 11歳以上: 30g(角砂糖7個)
2014年当時の「女性25g、男性35g」という数値と比べると、より厳しくなっているんですね。成人の場合、30gが上限ですから、マーズバー1本(33g)で軽く超えてしまいます。
ソフトドリンク税(砂糖税)が導入された
2014年当時「検討する必要がある」とされていた甘い飲料への課税は、2018年4月に「ソフトドリンク産業税(Soft Drinks Industry Levy)」として現実のものになりました。
この税制の効果は、2025年時点で次のように評価されています。
- 店頭に並ぶソフトドリンクから、ほぼ半分の砂糖が除去された
- 過体重と肥満の有病率を0.18%ポイント減少させたと推定
- 14,000件近い成人肥満と1,000件近い小児肥満を予防できるとモデル予測
- 歯科治療(虫歯による抜歯)の入院が減少
- 医療システムにもたらす純金銭的利益は122億ポンドと推定
2025年11月には、この税制がミルクシェイクやカフェラテなどの乳製品ベースの飲料にも拡大されました。新たな課税基準は100mLあたり4.5g以上(従来は5g以上)に引き下げられ、砂糖含有量に応じて1リットルあたり19.4〜25ペンスが課税されます。
2014年当時「チョコレートにも課税される日が来るのでしょうか」と書きましたが、今のところチョコレートそのものへの課税は実現していません。ただし、砂糖税の対象は着実に広がっており、将来的な可能性はゼロではないかもしれません。
英国の肥満率は、さらに悪化
残念ながら、肥満の状況は10年前より悪くなっています。
2025年の『Lancet』に掲載された研究によると、イングランドの成人肥満有病率は2019年の26.3%から2025年には30.3%に上昇しました。成人の約3人に1人が肥満という計算です。
特に若い成人層で肥満の増加が最も速く、格差も広がっています。1人あたりのGDPが2万5,000ポンド未満の地域では肥満率が33.4%であるのに対し、20万ポンド以上の地域では17.6%と、ほぼ2倍の差があります。
2014年当時「25歳未満のみが太り過ぎではない唯一のグループ」と言われていましたが、今は若い世代にも肥満が広がっています。
ヨーグルトの砂糖含有量は、今も要注意
2014年当時「低脂肪なのに27gの砂糖」と驚いたヨーグルト。最新のデータを見ても、やはり砂糖はたっぷり含まれています。
2025年のデータでは、低脂肪ヨーグルト(ソルテッドキャラメル&チョコレート)1食(150g)に砂糖19.8g、チョコレート入りヨーグルト100gに砂糖約48〜49gという製品もあります。
「低脂肪=ヘルシー」というイメージは、今も昔も危険なんですね。原材料表示を見る習慣が、ますます大切になっています。
まとめ
| テーマ | 2014年当時 | 2025〜2026年 |
|---|---|---|
| SACNの砂糖制限 | 5%以下を勧告(女性25g・男性35g) | 5%以下を維持(成人30g) |
| 砂糖税 | 「検討する必要がある」段階 | 2018年にソフトドリンク税導入。2025年に乳製品飲料にも拡大 |
| 砂糖税の効果 | 不明 | ソフトドリンクの砂糖半減。肥満0.18%減、122億ポンドの医療便益 |
| チョコレートへの課税 | 「日本でも来るのか?」 | 今のところ実現せず。ただし対象は着実に拡大 |
| 肥満率(イングランド) | 成人の3分の2が過体重または肥満 | 成人の30.3%が肥満。若年層で増加が顕著 |
| ヨーグルトの砂糖 | 「低脂肪なのに27g」と驚き | 今も高糖質な製品が多い。表示確認が必須 |
10年前は「砂糖との戦いが始まる」という段階でしたが、今は実際に税金という武器を使って戦っています。ソフトドリンクから砂糖が半分消えたのは、大きな成果ですね。
それでも、肥満率は上がり続けています。砂糖税だけでは足りない、もっと根本的な食生活の変化が必要なのかもしれません。
日本では、まだ砂糖税は導入されていません。でも、WHOが「2030年までに加盟国の80%が糖類入り飲料に課税する」という目標を掲げているので、いつか日本でも議論される日が来るかもしれませんね。
そのときは、チョコレートが課税対象にならないことを祈りつつ(笑)、今日も適量をありがたくいただきましょう。
参照
New sugar limits can be breached by a bar of chocolate - Telegraph
Scientific Advisory Committee on Nutrition (SACN)
Mars (chocolate bar) - Wikipedia
追加の参照
- SACN annual report 2025 - GOV.UK (2026)
- Population health and health sector cost impacts of the UK Soft Drinks Industry Levy - LSHTM (2026)
- Whole-population trends in obesity across dimensions of inequality in England, 2019-25 - The Lancet (2026)
- UK slaps sugar tax on milkshakes in battle against child obesity - BSS News (2025)
- WHOの飲料税提言に警戒感 - Infoseekニュース (2026)