研究者は、チョコレートを、より栄養価の高いものにし、より良い味にする方法を発見しつつあります。

Chocolate May Soon Be Healthier And More Delicious

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チョコレートは、すでに健康に良い食べ物として認識されています。

脳卒中のリスクを減らし、気分を高めます。

また、脳を活性化させ、集中力を高め、脳にも良い食べ物です。

さらに、抗酸化物質が豊富に含まれ、記憶力を向上させます。


さらにチョコレートの健康効果を増幅するため、ガーナ大学のエマニュエル・オヘネ・アフォアクア博士(Emmanuel Ohene Afoakwa Ph.D)と彼の研究チームは、カカオ豆からチョコレートに加工する工程に処理を加えました。

カカオ豆は、口当たりの良いチョコレート製品にするため、焙煎されます。

カカオを焙煎すると、心臓の健康に良い抗酸化物質(ポリフェノール)を失います。

アフォアクア(Afoakwa)博士とそのチームは、失われた栄養素の一部を保持する目的で、発酵と焙煎工程の前に、カカオ豆が入った莢(さや)のカカオポッドを保管していました。


効果を測定するため、300のカカオポッドを4つのグループに分けました。

最初のグループは伝統的なチョコレートを作るプロセスを経たものです。

カカオポッドからカカオ豆を取り出し、バスケットで数日間発酵し、太陽の下、乾燥されます。 そして、その後、焙煎されます。


残り3つのグループは、「パルプ前処理(pulp preconditioning)」と呼ばれる方法で、カカオをしばらく保存、熟成しました。 発酵、乾燥の工程を経る前に、3日間、7日間、10日間と寝かした状態で保存しました。

アフォアクア(Afoakwa)博士は、10日間保存したカカオポッドのグループは、焙煎後、他のグループよりも多くの抗酸化物質が含まれていたと述べています。


研究者は、このカカオのプロセスに第二の変更を追加しました。

低い温度で、ゆっくりとした焙煎(116度で45分)すると、 従来の典型的な温度と時間(120~130度で10~20分)の焙煎と比較し、抗酸化物質がより多く残っていることがわかりました。

10日間寝かされた後、低い温度で焙煎したカカオ豆が、最もポリフェノールと抗酸化物質を保っていました。

この変更で、発酵のプロセスを助け、抗酸化物質の含有量だけでなく、風味を高めると、アフォアクア博士は述べています。

おそらく、カカオ豆を包んでいる甘い果肉が、発酵前にカカオ豆に何らかの作用を及ぼすためだろうと理論づけています。


このニュースは、米国化学会(American Chemical Society)で発表されました。

この研究プロジェクトは、VLIR TEAMココアプロジェクト(VLIR TEAM Cocoa Project)の下で、ベルギー政府から資金提供を受け、最終的に明確な結論を導き出すまで、より深い調査が行われます。


加熱すると、栄養が失われやすいということが、よくわかります。

それにしても、チョコレートには、まだまだ未開の分野が数多く残されていて、進化の余地が大きいなと思いました。


参照

Chocolate May Soon Be Healthier And More Delicious - The Huffington Post

カカオ - Wikipedia

抗酸化物質 - Wikipedia

Emmanuel Ohene Afoakwa

University of Ghana

ガーナ大学 - Wikipedia

ポリフェノール - Wikipedia

American Chemical Society

VLIR TEAM Cocoa Project