人体に無害な近赤外線を当てて、癌(がん)細胞を壊す新しい治療法の臨床試験が始まるそうです。

赤外線でがん狙い撃ち 米研究所、新治療法の臨床試験へ

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癌(がん)細胞に結合するたんぱく質「抗体」に、「近赤外線」で化学反応が起きる化学物質を追加。この抗体を注射で体内に入れ、がん細胞に抗体が結合した後で体外から近赤外線を当てると、癌(がん)細胞が死滅するという。

癌(がん)細胞の表面に結合しやすい抗体に、特定の波長の光で活性化する化学物質をつなげた薬剤を開発。患部に薬剤を注射した後、近赤外線を当ててがん細胞だけを壊すことを目指す。正常な組織を傷つけないため副作用が少ないと期待され、マウス実験で高い治療効果が示されている。

近赤外光線免疫療法は、短時間の近赤外光照射で広範に散らばったがん細胞を消滅することができるので、例えば手術で取りきることが難しかった膵臓癌や悪性中皮腫、卵巣癌の腹膜転移などのがんに対して縮小手術を行って、手術終了前に、近赤外光線免疫療法で取り残し部分のがん細胞を完全に消滅させて治療を終わることも可能であろう。


マウスの実験では、8割で癌(がん)が完治したと発表されています。

日々、たゆまぬ努力を続けてくれている研究者に感謝ですね。


参照

赤外線でがん狙い撃ち 米研究所、新治療法の臨床試験へ - 朝日新聞

がん細胞だけ光で死滅…日本人ら開発、試験へ - 読売新聞

赤外線でがん細胞を攻撃 米NIHで臨床試験へ - 北海道新聞

がん細胞への近赤外光線免疫療法による治験がFDAに承認される - スラッシュドット・ジャパン